PP501 | Round Chair - Rare Edition 2026
Hans Jørgensen Wegner
ハンス・J・ウェグナーは生涯で500脚以上の椅子を設計しましたが、最高傑作とも称されるのが「ザ・チェア」の愛称で知られるラウンドチェアです。PP501は1949年に生まれたそのオリジナルモデルで、座面に籐を手作業で編み込んだ仕様。1960年のアメリカ大統領選のテレビ討論会でジョン・F・ケネディが張座仕様のこの椅子を使用したことをきっかけに注目を集め、椅子の本質を体現した究極のデザインと称賛され”椅子の中の椅子”という想いを込めて現在の呼び名として広まりました。ウェグナーは自身のデザインについて、"より純粋なものとするため、必要最小限まで無駄をそぎ落としていくのがデザインだ"と語っており、特にこの一脚は、あらゆる椅子の要素が極限まで削ぎ落とされ、意匠、座り心地などを含めて完成度が高く、製作当時、"自身が手がけた数々の椅子のなかで、初めて心から納得のいく作品ができた"と語るほどだったそうです。
最大の特徴は、背から肘掛けへと連なる美しい曲線にあります。用いられるのは、樹齢150〜200年の防風林から採られた無垢材。背もたれは、13cm厚の無垢材の塊から彫刻的に削り出され、背もたれから肘掛けまでを3つの部材を使用しフィンガージョイント(指を組んだような強固な工法)で接合されています。部材は接合の前に1〜2年かけてゆっくりと乾燥され、最適な良材へと調整されている。これを職人がじっくりと時間をかけて加工することでこの椅子のもつ美しい笠木が実現しています。初期モデル(JH-501)では背にラタンが巻かれていましたが、これは当時フィンガージョイントが未採用で継ぎ目を隠す必要があったため。その後も改良をし続けることで、継ぎ目を敢えて見せる構造を意匠とする点は、ウェグナーの作品に対する情熱と探究心が表れています。
座り心地も実に秀逸です。籐の樹皮を手作業で編み込んだケーンシートは通気性がよく、適度なしなりで身体をやわらかく受け止めてくれます。繊細な素材ゆえに定期的な手入れは欠かせませんが、時を重ねるごとに飴色へと深まっていく表情は、このオリジナル仕様ならではの魅力です。量感ある背もたれの笠木は自然に背中に沿い、深く腰掛けても浅く腰掛けても快適で、体格を問わず身体を支えてくれます。本来、前後の脚をつなぐ貫があるが、厚みのある座枠によってしっかりと連結することで、貫を設けることなく、しっかりとした安定感を実現しています。ウェグナー自身は謙遜を込めてこの椅子を”Round One(丸い椅子)”と呼びましたが、道具としての実用性を追求することで唯一無二の美しさを得た、家具デザインにおける一つの完成形と呼べる椅子です。
本モデルはPP Møblerによる「Rare Collection 2026」の限定品。希少なウェンジ材の静かに力強い木目が、この椅子の構造美をいっそう引き立てています。仕上げは木本来の質感を最大限に引き出すクリアバイオオイル。限定生産数は世界でたった16脚のみ。それぞれの椅子には限定仕様を示す真鍮プレートが取り付けられてナンバリングされ、特別な一脚として仕上げられています。
PP501
Hans Jørgensen Wegner | PP møbler
Denmark | 1949
樹種
ウェンジ
座面
ケーンシート(籐張り)
仕上げ
クリアバイオオイル
サイズ
W63×D52×H76 cm SH44 cm
受注生産のため、納期は事前にお問い合わせください。
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